シッフ試薬 アルデヒド検出の定番


生徒: こんにちは。今度の化学のテストのために復習しているのですが、シッフの試薬というのがよくわかりません。

先生:喜んでお手伝いさせていただきますよ。シッフ試薬は一言で言えば、亜硫酸によって脱色されたフクシン染料です。有機化学でアルデヒドの検出に使われます。

ORGANIC CHEMISTRY LAB: Schiff’s Test for aldehyde and ketone

生徒:アルデヒドの検出方法の一種なんですね。ん、フクシン染料ってのはなんですか?

先生:これもまとめて言うならば、トリアリールメタン系に属する、塩基性の、合成染料ですね。

生物学的研究、特にバクテリアやその他の微生物の染色に一般的に使用されていますよ。グラム染色などに用いられることが多い染料です。

生徒:グラム染色は生命科学分野、特に微生物の判別でとても有名で頻繁に使われるものですね。なるほどです。

シッフ試薬について続きをお願いします。どうアルデヒドを検出するんですか?

先生:シッフ試薬はアルデヒドが存在すると反応してマゼンタ色、あるいは紫がかったピンク色を呈します。これはアルデヒドが存在することを示す陽性反応です。

生徒: 難しいものかと思っていたら小学生がやるようなヨウ素デンプン反応のようでわかりやすいです。具体的にはどのように作用するのですか?

先生:そうですね、起こる反応は少し複雑ですが、簡単に言うと、アルデヒドが試薬と反応して、染料の色を元に戻すのです。この色の変化こそが、アルデヒドの存在を示すものなのです。アルデヒドは微量でも検出できるほどです。

生徒:すべての種類のアルデヒドに効くのですか?

先生:いい質問ですね。実はベンズアルデヒドのような芳香族アルデヒドには効かないです。

また、シッフ試薬はケトンとは反応しないので、アルデヒドとケトンを区別するときにも便利ですよ。

生徒:なるほど、そのあたりは少しだけ注意が必要ですね。

先生:そうです。また化学実験室でアルデヒドを検出するために使われるのはもちろんですがシッフ試薬は生物学の分野でも応用されています。

例えば、顕微鏡で組織を観察する組織学で使用されます。シッフ試薬は、ある種の組織や細胞を染色し見やすくするために使用されることがあります。

例えばPAS反応、これは糖鎖の検出です。糖タンパク質や糖脂質を赤紫色に染色します。

また、フェーゲン反応。こちらはDNAをやはり赤紫色に染色する反応です。

生徒:へえ、化学以外の分野でも使われているんですね。

先生:汎用性がある試薬ですよ。

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