現代の有名数学者1 天才ワイルズから隠遁者ペレルマンまで
アンドリュー・ワイルズ
350年以上も未解決であったフェルマーの最終定理を証明したことで有名である。
1994年、ワイルズは代数幾何学、整数論、モジュラー形式の高度な概念を利用した証明を発表した。彼の研究は、楕円曲線とモジュラー形式に関係する谷山-志村-ワイル予想(現在はモジュラー性定理として知られている)と定理を結びつけた。彼の証明は数学における記念碑的業績であるだけでなくこの分野の様々な分野の発展にも影響を与えた。
リチャード・ボーチャーズ
イギリスの数学者リチャード・ボーチャーズは代数学と幾何学の研究で有名である。頂点代数、無限次元リー代数、群論の分野に多大な貢献をした。
ボーチャーズは特に群論におけるモンスター群と整数論におけるモジュラー関数との間の深く驚くべきつながりを表す数学用語である、モンストラス・ムーンシャインに関する研究で知られている。このモンストラス・ムーンシャインと頂点代数の導入に関する研究により、ボーチャーズは1998年にフィールズ・メダルを授与された。
ゲルト・ファルティングス
ドイツの数学者。代数幾何学の研究で知られる。現在ファルティングスの定理として知られるモルデル予想を証明し、整数論に画期的な貢献をした。
この定理は、数体上の1より大きい属の曲線は有限個の有理点しか持たないというものである。このブレークスルーはディオファントス方程式に大きな影響を与え、1986年にフィールズ・メダルを受賞した。
ヴォーン・ジョーンズ
ニュージーランドの数学者でフォン・ノイマン代数と結び目理論の研究で知られる。
彼は結び目不変量であるジョーンズ多項式を導入することで、結び目理論と低次元トポロジーにおける基本的なツールとなり、この2つの分野の間に予期せぬつながりを発見した。
ジョーンズ多項式は、統計力学や場の量子論においても深い意味を持っている。ジョーンズはジョーンズ多項式の発見により、1990年にフィールズ・メダルを授与された。
ジャン・ブルゲン
ベルギー出身の数学者でバナッハ空間理論、エルゴード理論、調和解析、線形・非線形偏微分方程式の理論など、幅広い数学分野で多大な貢献をした。
彼の業績は、解析学および関連分野における長年の問題を解決する深い洞察と革新的な技法によって特徴づけられる。バナッハ空間理論、エルゴード理論、調和解析学への目覚ましい貢献により、1994年にフィールズ賞を受賞。
マキシム・コンツェビッチ
ロシアとフランスの数学者。代数幾何学、変形量子化、数理物理学で多大な貢献をした。
シンプレクティック幾何学と代数幾何学を結びつけ、一見無関係に見える数学分野を深く結びつける「ホモロジー的鏡対称性予想」の研究で知られる。コンツェビッチは、動因積分に関する研究と、弦理論におけるミラー対称性の理解への貢献により、1998年にフィールズ・メダルを受賞している。
ローラン・ラフォルグ
フランスの数学者であるラフォルグは、整数論と代数幾何学の研究で有名であり、特に函数体上の一般線形群に対するラングランズ予想の証明で知られている。
彼の研究は、整数論と表現論のつながりを理解する上で深い意味を持つ。ラフォルグは、ラングランズ・プログラムへの貢献、特に函数体に対するラングランズ対応の証明により、2002年にフィールズ・メダルを授与された。
ウラジーミル・ヴォエヴォツキー
ロシアの数学者。代数幾何学とホモトピー理論の研究で知られる。動機コホモロジーやA^1ホモトピー理論などの新しいコホモロジー理論を導入し、ミルノア予想を動機コホモロジーを用いて解決した。
ホモトピー理論を用いた数学の新しい基礎の発展に対するヴォエヴォツキーの貢献は画期的なものであった。スキームのホモトピー理論、動機コホモロジー、動機ホモトピー理論の定式化に関する業績により、2002年にフィールズ・メダルを受賞。
グリゴリ・ペレルマン
ロシアの天才数学者であるグリゴリ・ペレルマンは数学における7つのミレニアム賞問題の1つであるポアンカレ予想を証明し、数学の重要なブレークスルーを開いた人物だ。
ポアンカレ予想は3次元空間の性質を扱うもので位相幾何学の基本的な問題である。
2002年から2003年にかけて発表された一連の論文で示されたペレルマンの証明には、リチャード・S・ハミルトンのリッチ流理論が用いられている。
そしてその解答に対してフィールズ賞とミレニアム賞が授与されたにもかかわらず、ペレルマンは両方の栄誉を辞退した。もちろん大金の懸賞金もである。
おそらく世界のどの名門大学でも名誉教授となれそうな実績だが職さえも辞して平凡に暮らしている。もしかしたら教える時間を惜しんで自宅で一人、重要な研究を行っているのかもしれないし、人類にとって大変な貢献をしたその余生を普通の人間として楽しんでいるのかもしれないが、全ては憶測である。
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