料理の化学 ゲル化からメレンゲまで

化学

料理は科学反応の宝庫である。最初に一般的な料理で見られる化学、後半にデザートの化学反応を挙げてみよう。

クッキングケミストリー

カラメル化:加熱すると糖が分解され風味が変化し、褐色になること。

玉ねぎをカラメル化して飴色にするときや、砂糖からカラメルを作るときに起こる。

メイラード反応: アミノ酸と還元糖の反応で、こんがり焼けた食品に独特の風味を与える。

肉を炙ったり、パンを焼いたり、コーヒーをローストするときに起こる。

タンパク質の変性: タンパク質が熱を加えられるとほぐれ、構造を失うこと。

卵を加熱すると透明な卵白が不透明になる。

ゼラチン化: でんぷんが水分を吸収して膨らむ過程。

もちろんゼラチンの吸水で有名だ。他にも肉のコラーゲンがゼラチンになり柔らかくなったり、パスタや米を調理するときにも見られる現象だ。

こちらはゼラチンが膨らむ様子。

How to Bloom Gelatin – Tutorial Video

デンプンのゲル化: 小麦粉や片栗粉、コーンスターチなどに含まれるデンプンが熱によって水分を吸収して膨張し、とろみがつく。

麻婆豆腐のとろみなどもこれだ。

加水分解: 水分子がタンパク質などの結合を切断するプロセス。

マリネ液で肉を柔らかくするときに起こる。

発酵: 酵母が糖を消費し、二酸化炭素とアルコールを生成するプロセス。

パン、ビール、ワイン、チーズなどの製造の基礎となる。

アルコールの蒸発: 他の風味を残しながらアルコールを蒸発させるプロセス。

熱したフライパンにワインを加えてソースを作る際などに起こる。フランベもこの反応だ。

How to Flambe Food Like a Pro | Chef School

酸化: ある種の食品が酸素に触れると褐色になるプロセス。

リンゴを切って放置すると茶色くなる。

膨潤: 化学反応によってガスが発生し、生地が膨らむプロセス。

重曹やベーキングパウダーが一般的な膨張剤である。

乳化: マヨネーズの卵黄のように、油と水が乳化剤の助けを借りて強制的に混ざり合うプロセス。

ペクチンのゲル化: ペクチン、砂糖、酸が結合してゲルを形成するプロセス。

この反応はジャムやゼリーの製造に用いられる。

エステル化: カルボン酸とアルコールが反応してエステルを生成すること。

ワインやチーズの熟成で起こり、複雑な風味を生み出す。

タンパク質の凝固: 牛乳の凝固やカスタードの固化など、加熱中に変性したタンパク質が凝集するプロセス。

酵素による褐変: 食品中の酵素が酸素と反応して褐色の色素を生成するプロセス。

デザートの化学 パティシエ編

前半と一部重複してしまうがこちらから読む人もいるかもしれないのでご勘弁を。。

クリーミング: 脂肪と砂糖を一緒に泡立てると、砂糖の結晶が脂肪に入り込み、小さな空気のポケットができる。

クッキーやケーキを作る最初の工程であることが多い。

卵の泡の安定化: 卵を泡立てることで空気を取り込み、泡ができる。

これは砂糖で安定化させることができ、メレンゲや一部のケーキ生地に使用される。

また幕末の侍集団、新撰組の近藤勇の好物、「卵ふわふわ」は空気を取り込むこの性質を使った代表的な料理だ。

ちなみに実際に作る場合、箸はやめよう。100円ショップでホイッパーは売っている。自分は箸4本使ってやったが腕が壊れそうになった。笑

【偉人飯】びっくりな新食感!?近藤勇が大好き玉子ふわふわ!

乳化: 卵黄のような乳化剤の助けを借りることが多い。

これによりダマのない滑らかな生地を作ることができる。

キャラメリゼ: 砂糖を茶色くなるまで加熱すること。

キャラメルソースやキャンディーを作る際によく使われます。

メイラード反応: 上記でこちらも出たがアミノ酸と還元糖の反応。

ペストリーやクッキーなどの焼き菓子に独特の茶色い皮ができる。

タンパク質の凝固: 卵に含まれるようなタンパク質が変性し、再び凝固することで、カスタードやケーキを焼成する際の構造を整える。

リーブニング: 焼き菓子が膨らむプロセス。

イーストの発酵による二酸化炭素の放出(パンの場合)、またはベーキングパウダーや重曹の使用によって達成される。

発酵: 酵母を使って糖分を発酵させ、アルコールと二酸化炭素を生成する。

パンや一部の菓子の膨脹に使用される。

ショートニング・パワー: 製パンにおいて、脂肪は生地中のグルテンの形成を妨げる。

これがショートブレッドやパイ生地の柔らかく砕けやすい食感の一因となっている。

グルテンの発達: 小麦粉を水と混ぜてこねると、グルテンが形成される。

生地に弾力性が生まれます。パン作りには欠かせない過程だ。

酵素による褐変: リンゴのような特定の果物では、酵素が酸素に触れると褐変を起こすことがある。

フルーツパイやタルトでは、酸であるレモン汁を塗ることでこれを防ぐこともできる。

砂糖の転化: 砂糖に酸(レモン汁など)を加えて加熱すると、ブドウ糖と果糖に分解される。

転化糖は食感が滑らかで結晶化しにくいため、この反応はキャンディーやシロップ作りに利用される。

スクロースの加水分解: スクロースを酸と熱の存在下でグルコースとフルクトースに分解する反応。

得られた転化糖は、結晶化を防ぐ働きがあるため、ソフト・キャンディーや氷菓の製造に使用される。

ペクチンのゲル化: ジャムやゼリー、一部のキャンディーの製造に使われる。

ペクチン、砂糖、酸が結合してゲル状の食感を生み出す。

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