最高に暗い物質ベンタブラック 最高に明るい物質は?

化学

最も暗い物質 ベンタブラック

ベンタブラック イギリスのSurrey NanoSystems社が開発したベンタブラック。

これが既知の物質の中で最も暗い物質である。なんと可視光の99.965%まで吸収することができる。ベンタとは何かというとVANTA(vertically aligned nanotube arrays)であり、垂直配向のナノチューブ配列という意味である。つまりその暗さは、光を閉じ込め、表面からの反射を防ぐ垂直カーボンナノチューブ(CNT)の森に由来するのだ。

ベンタブラックは、天体望遠鏡に余計な光が入らないようにするためやカメラ、赤外線スキャナーと言った光を制御することが重要な機器に使用されている。こちらの動画はベンタブラックを塗ったBMWだがまるで車の影のようである。

The all-new BMW X6 Series in Vantablack.

ちなみにカーボンナノチューブはアスベストのように危険であるとの報告があるので現状要注意の物質でもある。

最高の明るい物質は太陽? いいえ、クエーサーです

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こちらに関しては太陽が浮かぶかもしれない。だが太陽は宇宙規模で考えると暗い方である。有力な最も明るい候補はクェーサーという銀河の一種である。クェーサーは多く発見されているが一般に太陽の10兆倍の明るさである。

そう、クェーサーが近くになくて本当に良かった。

さてそれはおいておいて、定義をそうしたエネルギーの塊のようなものから変えて最も白いものとすると別の候補がある。

最も白い物質

アメリカのパデュー大学の研究者は太陽光を98.1%まで反射する超白色塗料を開発した。この塗料は、さまざまな大きさの硫酸バリウム(BaSO4)粒子を高濃度に使用することで、太陽光を散乱させ高い反射率を実現するものだ。

主な用途は光を反射して建物を冷やし、空調の必要性を減らすことである。地球温暖化対策として素晴らしい研究ともいえる。

Barium Sulfate ultra Bright white Paint fights climate change

白い物質ということでついでに二酸化チタン(TiO2)も取り上げたい。上記の硫酸バリウムほど絶対的に白い物質ではないがこちらは実用されていて身の回りにもあるかもしれないなかなか白い物質だ。用途としては塗料、日焼け止め、食品着色料の白色顔料として広く使用されている。比較的高い屈折率と可視光を散乱させる能力により、白さと不透明感を与えるのに効果的なのである。

こうした物質の研究メリット

光の大部分を吸収できる材料の開発は見て面白いだけではない。

エネルギー吸収と熱管理に重要な意味を持つのだ。例えばソーラーパネルではより多くの光を吸収するコーティングは、より多くの光を電気に変換する。つまりエネルギー効率を向上させることができる。

さらに、これらの材料はステルス技術などにも応用できる。

アメリカ軍のナイトホークやブラックホークといったステルス戦闘機や爆撃機を想像してほしい。

想像できなくても名前を見てほしい。明らかに黒そうであり実際に黒っぽい。これはそうした光の特性が関係している。

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そして極端に白い素材。つまり光の大部分を反射する素材。

こちらは特にエネルギーに関連する。超反射塗料やコーティングで太陽光を反射することにより建物や自動車の、膨大なエネルギー消費をする冷房コストを大幅に削減することが可能になる。また、光の反射と配光を材料科学的に改善することで照明の効率を高める可能性もあるといえる。

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