【現代の有名物理学者たち】LIGO開発者からミチオカクまで
ソール・パルマター、ブライアン・シュミット、アダム・リース
ソール・パルマターたちは遠方の超新星の観測を通じ、宇宙の膨張が加速していることを発見した研究者たちだ。
これは宇宙が単に膨張しているだけでなく、その速度が増していることを示唆するものだった。
そして加速を推進する謎の力であるダークエネルギーの証拠を提供することになった。この発見は、宇宙論と宇宙の運命の理解に多大な影響を与えた。
彼らはこの宇宙論への多大な貢献により2011年のノーベル物理学賞を受賞しました。
ニマ・アルカニ・ハメド
理論物理学者であるアルカニ・ハメドは素粒子物理学、特に超対称性、超ひも理論、余剰次元の分野で多大な貢献をしている。
アルカニ・ハメドは、素粒子物理学の標準模型を超えるモデルの開発に取り組んできたことで知られ、その例として、自身が共同提唱した「大きな余剰次元の理論」が挙げられる。
この理論は重力が他の基本的な力よりもはるかに弱い理由を説明できる、おなじみの3次元を超える空間次元が存在する可能性を示唆している。
経歴としては彼はイラン系アメリカ人の理論物理学者でありトロント大やカリフォルニアのバークレー校などで学びバークレーの教授を経てプリンストン大学の高等研究所教授となっています。
少し難解なところでは「アミプチュードロン」と呼ばれる幾何学的構造に関する研究でも知られています。
これは、粒子の相互作用の計算を簡単にする新しい方法を提供し、量子場理論における散乱振幅の理解を深める業績といえます。
バリー・C・バリッシュ、ライナー・ワイス、キップ・ソーン
有名なレーザー干渉計重力波天文台(LIGO)の共同設立者たちです。
彼らの研究はあ、のアインシュタインの一般相対性理論によって予言された重力波の直接検出において極めて重要なものでした。
2017年に3人にはLIGO検出器と重力波の観測への決定的な貢献によりノーベル物理学賞が与えられました。
こちらは参考まで、興味がある方向けにLIGOの内部探検動画。
ショーン・キャロル
ショーン・キャロルは主に宇宙論と量子力学の分野で知られる理論物理学者です。
彼は一般相対性理論や量子重力の研究に貢献しており、一般向けの著書や講演も行っています。科学コミュニケーションにも力を入れており、ポッドキャストやブログを通じて物理学の概念を広めています。
彼は1966年に生まれハーバード大学で博士号を取得しました。ジョンズ・ホプキンズ大学の自然哲学のホームウッド教授として教鞭を執っており、サンタフェ研究所のフラクタルのファカルティメンバーでもあります。
時間の矢やエントロピーの進化に関する研究、宇宙の起源や時間の非対称性、量子力学の解釈に関する科学哲学的な研究なども行っています。
そして研究を行うだけでなく、一般向けの著書も多数執筆しています。
彼の著書『Something Deeply Hidden』では、量子の世界とその哲学的含意について探求している内容です。量子力学の多世界解釈を支持しており、この著書では多世界解釈の哲学的な側面や、宇宙論との関連についても詳しく論じています。
ジョン・プレスキル
量子情報科学の先駆者として知られています。彼はカルテック、カリフォルニア工科大学で教鞭を執り、量子コンピュータや量子通信に関する研究を行っています。
特に2012年のカナダの量子情報サマーキャンプで行った講義が注目されました。この講義では、量子情報の基本的な概念を紹介し、視聴者にとって理解しやすい内容となっていました。
プレスキルはまた、量子コンピュータの実用性についても言及しており、その可能性について多くの議論を呼んでいます。
彼は「量子優位性」という概念を提唱し、量子コンピュータが古典的なコンピュータに対して優れた性能を発揮する条件について探求しています。
カルロ・ロヴェッリ
イタリアの物理学者で、重力の量子的性質を記述しようとする理論であるループ量子重力(LQG)の創始者の一人。
LQGは理論物理学の分野において重要な試みであり、量子力学と一般相対性理論の調和を模索している。
量子重力に関するロヴェッリの研究は、時空の基本構造に関する我々の理解を深める上で大きな影響力を持っている。また、複雑な科学的概念を一般大衆向けに解説した本の執筆でも知られるポピュラーサイエンス作家でもある。
サビーネ・ホッセンフェルダー
サビーネ・ホッセンフェルダーは、粒子物理学と量子重力の研究者であり、特に科学的思考や理論物理学の限界についての批評で知られています。
彼女は自身のブログやYouTubeチャンネルを通じて、物理学界の問題点や新しいアイデアについて議論しています。2020年10月23日には、「粒子物理学者は空虚な約束を続けるか?」というタイトルの記事を書き、粒子物理学における期待と現実とのギャップについて言及しました。
他にも、自然が美しい理由や全ての理論が正しいわけではないという観点から、物理学者たちが追求すべき方向性についても意見を述べています。
彼女は今の科学者たちのほとんどが着目している全てを説明する統一理論を追求することが誤りであると主張し、その理由として量子力学の理解不足を挙げています。
ミチオ・カク
ミチオ・カク、またはカク・ミチオはアメリカの理論物理学者であり著名な科学作家です。
そしてまた、広く知られる科学コミュニケーターでもあり、ポピュラーな科学書を数冊執筆しているほか、物理学や未来のテクノロジーについて語るため、メディアにも頻繁に登場している超有名人である。
まず研究業績としては特に超弦理論や量子重力の研究において重要な貢献をしています。ひも理論の一分野であるひも場の理論のパイオニアの一人ともいえます。宇宙の基本的な力を理解するための研究です。
そしてミチオカクは一般向けの科学書を多数執筆しており、特に「不可能の物理学」や「未来の物理学」などの著書は有名です。
彼の著作は科学の複雑な概念を一般の人々にわかりやすく説明することを目的としています。
カクはまた、メディアに頻繁に登場し、科学の普及活動を行っています。それもかなり長期間に渡ってです。ケーブルテレビなどでアメリカの教育系や科学番組をよく見る方は、彼の顔を何度も見たことがあるんじゃないかと思います。
また彼の公式ウェブサイトもあり、最新の研究や出版物についての情報が提供されています。
テレビについては科学番組「Sci Fi Science: Physics of the Impossible」のホストとして特に有名です。科学とフィクションの交差点を探求するような内容の番組のようです。
この番組では科学的な理論を基にしたフィクションの概念を検証し、視聴者に科学の可能性を示しています。日本で言えば空想科学読本のような位置の番組ともいえますね。
クリフォード・V・ジョンソン
イギリス出身のクリフォード・V・ジョンソンは、カリフォルニア大学サンタバーバラ校のの教授であり、理論物理学の分野で広く認識されています。
彼の研究は主に超弦理論、量子重力、量子場理論に焦点を当てていてクォークやブラックホールなどの多様な物体に応用されています。
またクリフォード・V・ジョンソンは彼の研究に加え、科学教育の重要性を強調しています。
特に若い世代に対する科学の魅力を高めるための活動に力を入れています。物理学の教育を視覚的に行うための「The Dialogues」といったコミックやアート作品を制作しているほどです。
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